続・危険なキス
結局聞けないまま駅に着いてしまって、心の中がモヤモヤした状態。
せっかく一緒に住めるという許しが出たのに、なんだかなぁ……。
ため息を吐こうとした瞬間だった。
急に腕を引かれ、柱へと追いつめられた。
「何っ……」
「言いたいことがあるんだったら、聞けば?」
「……」
腕を掴まれたまま、少しだけ口角をゆるめた奏人があたしを見下ろす。
ドキンドキンと、心臓がうるさい。
「……べつ、に……」
そんなこと言われたって…聞けるわけない。
お父さんたちに言ったことが本心かどうかなんて……
あたしの口からじゃ、恥ずかしくて聞けるわけないじゃん。
目を伏せたまま、唇を噛んでいると
頭上からため息がまた聞こえた。
そんな奏人の態度に苛立って、顔を上げた瞬間……
「……っ」
その唇を、奪われた。