続・危険なキス
 
「守りたいものってなんですか?」


だけど、そう聞かずにはいられない。

あたしは本に目を通している先生を、じっと見つめた。


「さーね」
「答え次第では、あたしも変わりますけど」
「へー?」


本を少しずらし、面白そうにあたしを見返す。


お互いに挑発めいた視線が絡み合った。



「素直に答えたら、どうしてくれんの?」

「それ、は……」



自分でふっかけておいて、対処が見つからない。

でももし、先生の守りたいものが……



「紫乃」

「…っ」



あたしと答えてくれたら……



「あたしの夢……
 できました」

「何?」



「どんな形でも、

 先生の傍にずっといたいです」



素直な女の子になる。
 
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