続・危険なキス
 
「先生、おはよー!」

「おはようございます」


学校に着くなり、黄色い声交じりで挨拶をしてくる女生徒。

明らかに、作った声。


だけど笑顔で答え、
さらなる黄色い声を浴びる。



正直……

だるい。



紫乃が卒業したこの学校は、はっきり言ってすげぇつまんない。

面白いことなんかなんもないし
完璧な自分を演じるのも疲れる。


最初は臨時の教師として契約を交わしていたけど
去年の3月、突然校長に呼び出され、持ち上がったのは本契約の話だった。



(湯浅先生は真面目ですし、教え方がうまいと評判なんですよ。
 何より、生徒さんにも人気ですし。

 もしよかったら、このまま我が校の本教師になりませんか)
 
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