続・危険なキス
 
「せ、せんせい……?
 職員室に行くんじゃ……」

「分かっているでしょう?」


連れてこられた場所は、予想していた通り、職員室なんかじゃない。

物理室を通り抜け、準備室。


しかも放課後という時間の中で
生徒がいるわけもなく、シンと静まり返っている。


「あ、あの……」


パタンと閉められたドア。

カチャリと鍵も閉められたときには、もうみんなの知っている湯浅先生はどこにもいなくて……



「お前、俺を怒らせたいわけ?」

「ちがっ……っ」



あたしの反論は口から出ることはない。

メガネをはずした真顔の湯浅先生の唇によって、塞がれてしまった。
 
< 3 / 344 >

この作品をシェア

pagetop