続・危険なキス
 
「おはよー、紫乃ちゃん!」
「おはよ」


講義の教室に着いて、いつもと同じ位置に座っていると、
ぎりぎりの時間になってから沙樹がやってきた。


「相変わらず今日も輝いてるねっ」
「それ、意味わかんないよ」
「あははっ」


沙樹は少し天然なところがある。

入学当初、それこそショートカットだったからボーイッシュなイメージがあったけど、
3年となった今、その髪は肩下まで伸び、天然な性格から完全に可愛らしい女の子となっていて……


「見て見て!昨日一目惚れして買っちゃった!」


と目をキラキラさせて見せてきた、女の子らしい花柄ポーチを見て、とことん中身も乙女だな…なんて思った。


「可愛いけど……
 ポーチ、先月変えたばっかじゃなかったっけ?」
「え?あ、あははー。
 だって可愛かったんだもんっ」


舌をペロッと出して言う姿は、イタズラな女の子そのもので……。
可愛いけど、この子のお財布が心配だ……とちょっとだけそんな心配もしていた。



「あ、紫乃ちゃーん!」



そんなあたしたちの席の前に、同じ学部の男子二人が座ってきた。
 
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