続・危険なキス
4章 再会…
ガシャンッ!!
「す、すみませんっ……」
店内で、グラスが床にたたきつける音が響き渡る。
すでに聞きなれたその音は、割れた音ではないことだけがせめてもの救いだった。
周りのお客さんに慌ててペコリとお辞儀をして片づけをしているのは、一番のミスを引き起こす美香さん。
「あーあ……また美香さん、やっちゃったんだ……」
その様子を見て、作り場のブースで川崎さんがぼやく。
あたしはそんな川崎さんには反応せずに、モップを持って美香さんのもとへ寄った。
「拭いておくので、グラスを洗い場へ持っていってください」
「あ、ありがとー!」
近寄ってきたあたしに、少し涙目になりながら美香さんはお礼を言うと、慌てて床に落ちてしまったグラスを洗い場へと運んで行った。
だからそんな慌てるから、落とすんだって……。