続・危険なキス
「はぁ……終わったねー」
「お疲れ様です」
結局、先生が来てからは、新しいお客さんが入ることはなくて、そのまま閉店時間になった。
いつの間にか、先生はすでにお店の中にはいなくて、多分もう車で待ってる。
「紫乃ちゃん、なんかいいことあった?」
「え?」
「なんか、急に足取りが軽くなってるから」
女子用控室で、美香さんと帰りの身支度をしていると、そんな突っ込みが入った。
もしかしてあたし、無意識に態度に出てた?
「あ、これから彼氏のとことか?」
「……いや、まあ……」
というか、送ってくれるだけだけど。
「いいなー。
どんなに疲れてても、やっぱり好きな人に会うだけで全然違うよねっ」
「美香さんはいないんですか?彼氏さん」
「いないよー」
「意外、ですね」
美香さんの答えを聞いて、ちょっとだけ意外だと感じた。