続・危険なキス
 
「自分だって、ここ最近、女子生徒からいっぱい告白されてるくせに……」


卒業間近の3年生にとって、今は先生との禁断の関係を崩せるとき。
だから、ここぞとばかりに湯浅先生にアタックをかけている女子生徒が多い。


「俺がモテんのは昔からだし」
「……」


それは分かっていたけど、本人の口から聞くのもなんだかな……。

思わず、呆れ顔で先生の顔をじっと見ていると、先生はわざとらしく「はぁ…」とため息をつく。

そして再びあたしの前へ、じりっと詰め寄った。



「だから、俺はアタックかけてくる女のかわし方なんか分かってるっつーの。
 それよりもお前は、突然モテすぎなんだよ」

「そ、んなこと……あたしに言われたって……」

「最近、棘が抜けたって結構噂んなってるぞ」

「そうなんですか?」


自分の噂なんて、初めて聞いた。


確かにあたしは、今まであまりモテた記憶はない。

奇跡的にも、好きだった楠木はあたしを好いてくれていたけど
それ以外の男子からは一線を引かれているほうで。



「受験が終わったし、俺との免疫のせいか、男子への態度が変わってんだよ」

「知らなかった……」



先生に指摘され、初めて気が付いた。
 
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