続・危険なキス
5章 強がり
 
「あー…やる気がでなーい……」


次の日の学校。
休み時間になるたびにあたしの席まできて、ぐだーっと机にへばりつく麻衣子。

そう思っているのは麻衣子だけじゃなく、きっとほとんどの生徒がそうだ。


「みんな行き先決まってるもんね。
 でも、麻衣子たちは、最後の学期末で低い点取るとマズイんじゃないの?」

「そうなんだよね……。
 春休みに、鬼のような課題が出るんだって!」


あたしは他大だから、学期末のテストを何点とろうと関係ないけど
麻衣子たち、エスカレーターの大学に行く人たちは、最後の学期末で赤点をとろうものならそう簡単には卒業させてくれないらしい。

春休みがなくなるくらい、課題を出されるみたいで……。


「だけどやっぱり、受験が終わった今、やる気を出せないよー」

「麻衣子は受験してないでしょ」


嘆く麻衣子に、鋭い突っ込み。

そういうセリフは、辛い受験を乗り越えてから言ってもらいたい。
 
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