続・危険なキス
 
「……はい…」


なんとなく、嫌な予感がしつつも、無視するなんて出来なくて、美香さんのほうへ振り返った。

美香さんは唇を噛みしめて、あたしをじっと見つめている。


「紫乃ちゃん……の、彼氏さんって……」


何が言いたいのか分かる。

あたしは目を逸らさずに美香さんを見つめ返すと、



「湯浅…奏人です」



先生のフルネームを答えた。

そしてそのまま言葉を続ける。



「美香さんとのことは………聞いてます」



あたしの言葉を聞いて、美香さんは目を見開いた。


「そう、なんだ……」
「はい」


とぼけたくなんかなかった。

悪い女とかにはなるつもりはなかった。


先生のことを信じているから、美香さんの言うことを全部聞き入れるつもりだと。
 
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