続・危険なキス
 
予想外のあたしの言葉に、先生は驚いた表情を一瞬したけど、
すぐにその口元をゆるませた。


「いいけど、見えねぇ位置にしろよ。
 一応教師なんだから」

「……はい」


本当は、先生があたしにつけるみたいに、首元につけてやりたい。

だけどさすがに、教師という職業の人に、みんなが見える位置に印をつけるわけにもいかなくて……



「ネクタイ、紫乃が外して」

「……」



屈んで、至近距離のままあたしを見つめる先生。

どう見ても、挑発しているようにしか見えない。


目をそらし、そっと先生のネクタイに手をかける。

ドキドキと、うるさいくらいに心臓が鳴っていた。


しゅるっとネクタイが外れ、しっかりと止められているワイシャツのボタンをはずしていく。

第二ボタンまで外すと、先生の綺麗な鎖骨が見えた。


「そこじゃ見える」
「ボタンを閉めてれば見えませんよ」
「……ったく…」


鎖骨の下。

あたしはそっと口づけた。
 
< 67 / 344 >

この作品をシェア

pagetop