続・危険なキス
6章 後悔
 

「美香さん」
「あ、紫乃ちゃん!おつかれー」


学校が終わって、バイトに入る。

あたしは、美香さんが控え室に入るのを見計らって声をかけた。


「美香さんって、今日バイト、7時まででしたよね?」
「うん、そだよー」


「今日……

先生が会ってくれると思います」



「え…?」と、驚きの表情を隠しきれない美香さんの口から、小さな声が漏れた。


「先生に、美香さんのことを話しました。

ちゃんと話を聞いてくれるみたいです」

「そ…っかぁ……よかった……」


まだ会ってもないのに、美香さんの目にはすでに涙がたまっていて、本当に先生に会いたくて仕方がなかったんだと伝わった。

だけど、やっぱりあたしの心の中のモヤモヤは晴れない。


これ以上美香さんの傍にいるのは耐えられなくて、仕事場に戻ろうとした。

そんなあたしに、美香さんが口を開く。



「紫乃ちゃん……

 好き、って……言っちゃうかも……」
 
< 71 / 344 >

この作品をシェア

pagetop