続・危険なキス
 
美香さんは、先生に謝りたいという理由であたしに会いたいと言った。

だから先生に告白するなんて、自分の中では予想外だった。


もしも先生の中に、少しでも美香さんへの未練や想いが残っていて……
そこを美香さんから真っ直ぐとぶつかられたら……



「…っ」



想像しただけで、胸がえぐられるように痛くなった。


どんなに強がっていても
どんなに先生のことを信用してるといっても


誰かにとって、
初めて本気で好きになった人の存在は大きくて……。



「……紫乃ちゃん、8時だよ。
 今日はもう上がりでしょ?
 片付けとかいいから、もう帰りな」


「……すみませんっ」



気遣って背中を押してくれる川崎さんに、あたしは甘えて洗い場を飛び出た。
 
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