続・危険なキス
 
平気なふりして、美香さんを見送った自分が恨めしい。


こんなにも必死に先生のことが好きなんだから……
今彼女であるのは自分なんだから……

二人で会わせること自体、止める権利だってあったはずだった。



(俺は信じてても、お前が他の男と二人になるのは嫌だけどな)



先生はあんなにも正直に、伝えてくれているのに……。



「はぁっ……はぁっ……」



着替えて、髪も整えないまま、二人の待ち合わせとしている公園まで走った。


嫌な女と思われてもいい。
独占欲が強いと思われてもいい。


それでも……



「せん、せっ……」



先生が、自分以外を見るなんて嫌だ。
 

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