続・危険なキス
 
「もう帰るんでしょ?
 なら一緒に帰ろうよ」

「え……」

「駅まで送る、って言う意味で。
 今日はもう遅いし」

「……はい」


構えてしまった自分が恥ずかしい。

川崎さんは、純粋に送ってくれるっていう意味だったのに。


「ってか、どうかした?
 仕事中の時から元気ない感じだったけど、今はもっと元気ない」

「いえ……大丈夫です」


これ以上、川崎さんに心配かけさせたくなくて、
いつもの愛想笑いで軽く返す。


川崎さんは、納得言ってない感じだったけど、これ以上突っ込んでも無駄だと思ったのか何も言い返してこなかった。



「そういえば、雪本さんはそわそわしてたよなー」

「……」


まさかここで、美香さんの名前が出てくると思わなかったので
一瞬体がビクッとした。


「あ、もしかして、NGワード?
 雪本さんと何かあった?」

「いや、そういうわけじゃ……」


あたしのわずかな反応に気づき、気まずそうな顔をする川崎さん。

慌てて首を振った。
 
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