続・危険なキス
 
「まーさ、何があったか知らないけど
 10代のうちは、毎日いろいろ悩むもんだから!」

「川崎さんだって、まだ10代のようなものじゃないですか」

「いやいや!1年って大きいよー?
 20歳過ぎてから、一気に感覚変わったし!」


ドンと胸を張って言う川崎さんの姿に、ちょっとだけ笑えた。

確かに川崎さんは、あたしよりも2歳年上だけど、でもやっぱり振る舞いは少し子供っぽくて……


「川崎さんは、あまり悩み事とかなさそうですよね」

「失礼なっ!」


いちいち大げさに反応する川崎さんに、思わず笑ってしまった。



「もしかして今日は、少し紫乃ちゃんに近づけた感じ?」

「え?」



駅が見える距離になると、嬉しそうに微笑んで顔を覗き込む川崎さん。

きょとんとするあたしに、言葉を続けた。


「紫乃ちゃんって、いっつも俺に一線を引いてる感じだったから。
 かたくるしいし、心開かないしさー。

 だからそんなふうに笑ってくれるの、初めて見た」

「……すみません…」

「謝るってことは肯定か!」


相変わらずオーバーリアクションをする川崎さんに、また笑ってしまった。
 
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