続・危険なキス
 
朝のHRになって、
嫌でも先生と顔を合わせないといけない。


結局昨日、携帯を取り出すのが怖くて、鞄にしまったまま。
だから昨晩から一回も見てない。


先生からの、着信があってもなくても、どちらでも怖かったから……。


あったらあったで
かけ直した時、別れ話をされそうな気がして……。


やっぱり、美香さんを忘れられないと言われそうで……。



「おはようございます」



教室のドアが開いて、澄んだ声が響き渡る。

みんなが席につき、先生へ「おはよう!」と言葉を返していた。


「今日からテスト週間ですね。
 授業はお昼までとなりますが、最後のテストまで気を抜かないようにしてください」

「先生ー!
 私、物理で分からないことがあるので、あとで聞きにいってもいいですか?」

「はい。空いているときでしたら、いつでも」


微笑んで返す先生に、嬉しそうに質問した女子がはにかむ。


きっとしばらくは、先生は女子たちにつかまっているだろう。
 

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