続・危険なキス
 
1時間目の自習は、クラスがざわつく中終わり、
言われた通り、自習プリントを集めた。


男子の学級委員と一緒に職員室に言って、湯浅先生を探す。

机の上で、採点をしている先生に声をかけた。


「自習プリント……持ってきました」
「ああ。ありがとう」


職員室だし、隣にもう一人の学級委員もいるので、先生は相変わらず仮面教師。

だけど……



「……っ?」



自習プリントを手渡した時、プリントの下で、逆に何かを渡された。

一瞬だけ触れた指先に、体中がビクッと反応したけど、それでもポーカーフェイスを崩さずに先生に会釈を返す。


「失礼します」


そして誰にも見つからないよう、渡されたばかりの紙切れを、手のひらに収めた。
 
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