続・危険なキス
 
美香さんに再度告白されて
先生の気持ちが揺らいでしまったんじゃないかと……。


考えたくなくても、勝手に頭の中に思い浮かぶ。




別れ話をされるくらいなら

一生先生から逃げていたい。









「いらっしゃいませー」


結局、あたしは先生の質問には答えることなく、逃げるように学校を出た。

携帯は実際に家だし、どんなに着信やメールが入ろうと確認しようがない。
先生は案の定、放課後になったら他の女子生徒につかまって、あたしに構う余裕などなさそうだったし、一言も話さずに終わった。


逃げてたって何も始まらない。

だけど今はまだ
気持ちを落ち着かせる時間が欲しい。



「紫乃ちゃん、お疲れ。
 そろそろ上がっていいよ」

「あ、はい」


没頭したバイトの時間はあっという間に終わってしまった。

時間は8時。
閉めまで入れていればよかったと、後悔すらする。
 
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