続・危険なキス
なんとなく、
先生だけが、連絡の取れないあたしを店の前で待ち伏せしているんじゃないか、という淡い期待もあった。
だけどあたしの目に映るのは
いつもの店の裏の道路に、見慣れた黒い車。
その前に向かい合うように話し込んでいる、男と女の姿。
「……美香、さん……」
先生とともに、一緒に話し込んでいたのは
今日はバイトに入っていないはずの、美香さんだった。
どうして……
わざわざ二人がここに……?
考えたくなくても
用のない二人が、この場所にいる理由はただ一つしかないと答えが導き出されてしまう。
二人が寄りを戻したことを
あたしに伝えるんだ……。
そしてあたしはフラれる……。
「……紫乃?」
一人立ち尽くすあたしに、先生がようやく気付いた。
その途端、ビクッと体が震える。