続・危険なキス
「お前、どうして連絡取れねぇんだよ」
「……」
何事もなかったかのように、ただあたしに詰め寄ってくる先生。
連絡が取れない?
取れないんじゃない。
取りたくないだけ。
近づいてくる先生に、じりっと後ずさると、目を合わせないよう俯いた。
「紫乃?」
「………こ、ないでください……」
絞り出された言葉は、可愛くない言葉。
本当は泣きじゃくって、先生にすがりたいのに
それすらも出来ない自分。
先生は歩みを止めると、眉をしかめてあたしを見た。
「聞きたく、ないです……」
「何が?」
「二人揃って……あたしに何を言いに来たんですか?」
先生の後ろで、気まずい顔をしている美香さん。
先生の心を取り戻してごめん、とでも言いたいのだろうか。