続・危険なキス
あの日のように、ただがむしゃらに走って
一刻も早く、あの二人のもとから離れたかった。
いつの間にか、こんなにも先生を好きだったと気づかされ
先生が好きな人と幸せになってくれればいい、と思うほど、人間出来ていなかった。
ドンッ……!!
「…っ」
曲がり角をぶつかった瞬間、あたしの体は誰かに突進。
吹っ飛ぶことはしなかったけど、相手にかなりのダメージを与えてしまった。
「すみませ……」
「いえ、こちら………紫乃ちゃん?」
「川崎…さん……」
あたしがぶつかったのは、まさかの川崎さんで
お互いに目を見開いて驚いていた。
だけど川崎さんは、驚いていた目を細め、顔を覗き込む。
「もしかして紫乃ちゃん、泣いてた?」
「…っ」
暗がりの中、バレないと思っていたけどすぐにバレて、咄嗟に顔をそむけた。
「ち、ちがいますよ……。
顔にぶつかったから、涙目になっちゃっただけ、で……」
「……ほんとに?」
いつものおちゃらけた雰囲気とは違う。
真面目な顔をして、じっとあたしの顔を見据えた。