今宵、真夜中の青を注いで


周りには住宅街があって、少し先に小高い丘がある。

そう言えば、あそこの丘は人工芝で綺麗に整備されている。

寝転がって星を見上げるなら丁度いいなんて思って、歩みを進めた。

丘に近づくにつれて、その一番上に黒い影が見える。


「人、かな?」


不思議に思いつつ、丘を登れば、やっぱり先客がいた。

寝袋に包まれていて一瞬何かと思ったけれど、その人も星を見上げていて、気配に気付いたのか此方に視線を向ける。

あたしは寝袋の顔のあたりを覗くと、頭上に広がる空と同じとても暗い青色をした髪と瞳を持った男の子に驚き、口を開いた。


「あれ、誰かと思えば、夜久君?」


だって、目の前の彼の顔は綺麗に整っていて、いつも授業中寝ているのに頭の良いイケメンで学年一モテる夜久星斗君にそっくりだったから。

暗がりで間違えたかもしれないけれど、あの綺麗な青い髪はきっとそうだと思った。


「あ? 誰だよ、ってお前は......えっと、碧海?」



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