今宵、真夜中の青を注いで


◆◆◆


3時間目の授業が始まった頃、今日何度目かの溜息を吐いた。

左斜め前の方にいる夜久君を見るといつも通り机に突っ伏して寝ている。


 結局、朝は挨拶なんて出来なかった。

普段気にしていなかったけど、夜久君はチャイムがなるギリギリに教室に入ってくる。

そう言えば、いつだったかもっと余裕を持って来いと先生に怒られてたような気もする。

挨拶以外に何話せばいいか分からなくてずるずると時間は過ぎていき、この有様。

向こうは相変わらずであたしと話す気は毛頭ないというようにずっと寝てる。

昨日はあんなに楽しく話せたのに、つまんない。

折角、少し頑張ってみようと思ったのに。

やっぱりつまらない今日という日が過ぎていくんだ。


 手にしているシャーペンをくるくると回して見つめる。

でも、それにもすぐに飽きて手を放す。

もう一度、深いため息をついて机に突っ伏した。

そのまま目を閉じると寝不足の所為か瞼が重くて開かない。

それに促されるように眠りについた。



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