今宵、真夜中の青を注いで
「......ほ。......きほっ、雪穂!」
最初は分からなかった音がどんどん鮮明になって、あたしを呼んでいる声だと気付く。
重たい瞼をあげて、声のする方を見ると呆れた顔をした楓がいた。
「やっと起きた。雪穂、何時まで寝る気ー? もう4時間目終わってるよ」
「んー、ねむいー......。って、え、うそ。全然ノート取れてない」
「あんたばかじゃないのー? ほら、あとで貸してあげるからさっさとお弁当食べよ」
さらっと暴言を吐いて、空いてる席に座り弁当を広げる楓。
それをボーっと見てると視線に気付いたのか、此方を見て「なに」と聞かれた。
「んーん、なんでもない」
「なんでもないなら早く弁当出さないと先に食べちゃうよー?」
弁当のおかずを口にしはじめた楓を見て、流石に用意しようと動く。