今宵、真夜中の青を注いで
深い深い夜の色。
そう、昨日みたいな真夜中の空ような青い髪と目が特徴的な彼は――。
「なに呆けた顔してんだよ」
今日ずっと話したくて仕方なかった夜久君だった。
ちょっと困ったような、その声に我に返って慌てる。
「いやあ、まさか話しかけられるとは思わなくて、吃驚したというかなんというか.......ははは」
尻すぼみな言葉と思わず出た取り繕ったような笑い。
嗚呼、またやらかした。
なんでこう、不審者みたいな行動しか出来ないんだろ。
やっぱり、普段話さない人と話すのはとても緊張する。
「俺から話しかけるのがそんなに変なのかよ」
その声色はクスクスと耐えきれない笑いを含んでいて、なんていうかもう帰りたい.......。
それでもあたしの動揺っぷりに突っ込まないでいてくれたからスルーすることにしよう。
「いや、そうでもない、けど、学校で誰かと話してる姿って見ないし、珍しいなあって」