今宵、真夜中の青を注いで
「ははっ、友達いねーみたい。でも、そうだよな。確かに俺、あんま話さないし、学校の時間って睡眠時間だし」
嗚呼、それはちゃんと自覚してるんだね。
そんな言葉を飲み込んで、苦笑いを零しつつも否定はできない。
「昨日、少し教えただけなのに勉強熱心なんだな」
夜久君の視線の先にある私の手の中の本を見て、これのおかげかと納得する。
あたしが星の本を見てたから目に止まったんだね。
ちょっぴりラッキーかも。
「本借りにきたんだけど借りられちゃってて、他になにかいい本ないかなあって探してたの。それで、丁度タイムリーな内容だったから思わず手に取っちゃったんだ」
「ふーん、興味持ってくれたんだ?」
「うん、昨日の綺麗な星見て思ったけど、静かに眺めるのいいね」
「それはよかった」
少しだけ、満足そうに笑う夜久君を見て自然と笑みが零れる。
夜久君の笑った顔はとても素敵で、やっぱり顔の綺麗な人は違うなあと思う。