今宵、真夜中の青を注いで


そんなにあたしが男子と話すのが珍しいのかな。

確かに男子と話すのはそこまで得意じゃないけれど、話さないわけじゃないはずなんだけどなあ。


「誰にも話さないでよね」


そう釘を打つとこくこくと楓は頷いて目を輝かせた。

そして、あたしは昨日、星空が綺麗だなあと思って夜中飛び出したこと。

丘で夜久君と出会ったこと。

それから星の話をしたことを順を追って話した。


「へえー、そんなことがあったんだ。それにしても、星が綺麗だからって家飛び出すって」


おかしそうにクスクスと笑う楓を見て顔が熱くなった。


「だから言わないでって言ったの! 流石にあたしも突飛な行動をしたなって思ったんだから! ちょっと反省してるから!」

「はいはい、分かった分かった。話さないから大丈夫」


楽しそうににこにこと笑いながら『それにしても少しは反省してるんだね。かわいー』なんて言うから一発脇腹に拳をお見舞いしてやった。




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