今宵、真夜中の青を注いで
「まだ冬の初めとは言え流石に寒いだろ。冷えるのよくないかと思って、俺のでよければ使えよ」
まさかそんな気遣いをしてもらえるとは思わなくて驚いた。
「そういえば昨日も持ってきてたよね。いつも持ってきてるの?」
「ああ、俺よく星眺めながら寝るからさ。それで昔風邪引いて熱だしたことあるんだ。以来せめてこれ使えって父さんが買ってきたんだよ」
どうやら夜久君は好き、なんて言葉じゃ表せないくらいに星に関して大きな思いを持っているようだ。
きっと昼間寝てるのも夜ずっと星を眺めてるからなんだろうな、と気付いてしまった。
それがとてもおかしくて、くすくすと笑ってしまった。
すると彼はとても不満げな顔をした。
「なんだよ」
「ふふっ、ごめんね。あたしの中で知ってる夜久君はいつも不機嫌そうにしてる姿と寝てる姿だけだったからおかしくって。学校で寝てるのも遅くまで起きてるからなのかな」
「そう、だけど」