今宵、真夜中の青を注いで
「そんな......」
なんて返したらいいのか分からなくて、言葉が詰まった。
まさに人気者の裏側を見た気分。
「俺の父親が星が好きなんだ。カメラも趣味で、昔からよく星の撮影とかに連れてってもらってる。おかげで昔から俺も星がすごく好きなんだよ。
ずっと見ていても飽きないくらい。ボーって眺めながら寝るのが一番好き。でも、それが一番イメージ違うらしい」
その言葉にビクリとする。
そう言えば昨日会って何してるのって聞いた時......。
緊張していて全然気付かなかったけど一瞬言うのを躊躇ったような気がする。
あの時、怒られた理由が分からなかったけど、もしかしてイメージ違うって思われたと思ったのかな。
「......あのさ、聞いていいのか分からないんだけど、あたしと会った時はなんで星見てたって言ってくれたの?」
夜久君の顔を窺うように恐る恐る聞いてみると、案外彼の顔は明るかった。
「嗚呼、あれ。別段理由があったわけじゃないけど。言った後、あからさまな態度されたら無視してやろうって思ってたし」
「なにそれひどい」
思ったより、普通の答えが返ってきて安心したからか、笑みが零れた。
少しだけ空気が暖かくなる感覚。