今宵、真夜中の青を注いで
「あの人の事だよ。今年入学してから告白した人は数知れず。その全てが振られている事くらい知らない訳ないよね?」
そう言って視線を向ける先には綺麗な暗めの青の髪で顔を隠すように寝ているクラスメート、夜久星斗【ヤクホシト】君がいた。
彼はとても整った顔立ちをしていている。
今は閉じられてる瞳だって髪と同じ色で、特徴的なその色がより一層彼を引き立てているんだろう。
学年でもカッコいいと噂の有名な人。
高校入学早々女の子達がきゃっきゃと騒いでいたのは、つい最近の事のように覚えている。
だけど、彼はそんな事はどうでもいいと言うように告白してくる女の子みんな断っているらしい。
それも一刀両断というか、とにかく酷い断り方をするようだ。
そして、女の子には極力関わらないようにしている。
めげずに話しかけたり、告白しちゃう女の子もいるけどそれも最初の方だけで今では彼に告白する人は勇者だと思う。