今宵、真夜中の青を注いで


その瞬間、あたしの世界が眩い光を放ってきらきらと輝く。

あたしは毎日がつまんないって相談をしたわけでもないのに、突然その答えを夜久君にもらった気がした。


「奥空がすげーから引け目感じるのかもしれないけどさ。好きなものがない、夢中になれるものがないって手元で探さなくてもいいだろ。

少しでもやってみようって思ったり、興味を持ったことやりながらゆっくり見つければいい」


ううん、言わなくても気付いて、答えをくれたんだね。

一番好きなものが見つかるまでだって、キラキラしたものになるよってそう言われたみたいで嬉しかった。

夜久君のくれる言葉は魔法みたいだ。


 今日、君にもらったその言葉をいつまでもいつまでも大切にしよう。

君が忘れたとしても一生覚えていよう。

あたしも君にそんな言葉を少しでもあげられてたらいいな、なんてちょっと思いながら幸せを噛みしめた。



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