今宵、真夜中の青を注いで
ノート集めるとか委員会のお知らせの業務連絡で少し話しただけで、女の子が嬉しそうに話すくらいには彼と話すのは貴重な時間。
確かにカッコいいとは思う。
でも、そんな雲の上の存在に恋するほどあたしは夢見る乙女じゃない。
寧ろ、いつも寝てるし、話しかけてくる女の子みんなに仏頂面だし、女の子に告白されても酷い断り方をするなんて聞いてたら、あまり良い印象はない。
勿論話したこともない人のことを悪く言うのはおかしいと思うけれど、そんな人がこっぴどく振って女の子を泣かせたなんて話はもう何度も聞いたことのある内容。
正直またか、と言う感想しか出てこない。
とはいっても、目の前の友達はミーハー女子。
そういう情報はすごく速くて、今日もこうしていらない情報があたしの頭の中に記録されていく。
「有名な話だからね。知ってるけど、主語ないと断っただけじゃ分かんないよー」
「はいはい、主語がなくってごめんなさいねー」