きみはいじわる
「くっそぉー、

 あいつ俺が戻ったの知ったから慌てて告りやがったな」


秀ちゃんの右手が耳元で震えてるのを感じて、声をかける。


「秀ちゃん?具合悪いの?大丈夫?」


「なんでっ

 そんななんだよ。


 俺だって、俺だって男なんだからな。


 こんな近くにいるのに顔色ひとつ変えないで、

 久しぶりなのに、少しも嬉しそうじゃなくて

 何なんだよ。

 会ったらこれしようとか、あれ話そうとか

 そんなの考えてたのは俺だけなのかよ。」

「秀ちゃん?」

「俺はなお前がずっと…」

プツン…と何かが切れたように

秀ちゃんはへなへなと座り込んだ。

「だ、大丈夫秀ちゃん!

 おばさんに連絡するね。」

あたしはスマフォを開いてアドレスを探した。

秀ちゃんは床に座ってぼぉっとあたしのすることを眺めながら、

「ちぇ…エネルギー切れのロボットかよ…情けねえな。」

ぼそりとつぶやいた。












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