きみはいじわる
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土曜日の朝

玄関を開けると秀ちゃんが待っていた。

「あれ?秀ちゃんおはよう」

「ああ…」

「もう大丈夫なの?」

「ああ…」

今日は慰問の日。

「秀ちゃんも行けるの?」

「いや。

 途中まで送っていく。」

「別に送ってもらわなくたって…」

「お前いちいちうるさいの。」

「ごめん。」

あたしたちは黙って並んで歩いた。

学校が見えてきたくらいになって秀ちゃんは立ち止まって、

あたしの手を掴んだ。

「彩華。

 別に昨日のを聞いたから言うわけじゃない。

骨髄もらったから言うんじゃないぞ。」

「うん?」

「学校に戻ったあの日、帰ったあの日に言いたかった。

 俺は、

 彩華が好きなんだ。

 小さい頃からずっと好きだった。

 俺、お前にひどいことばっか言ったし、

 意地悪ばかりしたから、

 嫌われてるかもしれないって思ったら

 言えなかった。

 勇気無かった。

 けど…」






 






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