きみはいじわる
幼稚園の頃からそう。
あたしだけにはお手紙くれなかったり、
もらえるはずのお菓子隠しちゃったり、
かくれんぼの途中で
みんなを帰してしまって、
あたし一人いつまでも探し歩く姿を陰から見て笑ってたり。
数えたらきりがない。
それでも小さい頃は大好きで、
いつだって秀ちゃんの後を追いかけた。
そう、今みたいに…
ほんとに、馬鹿みたいだな。
秀ちゃんはあたしみたいなグズな子が大嫌いだっていつも言ってた。
馬鹿にされて、邪魔にされて、意地悪されて、
けれど、
好きだった。
大好きな大好きな初恋の人だった。
もう何年も前に諦めちゃったけど…
そんなに嫌いなら放っておいて欲しい。
一緒に帰るとか、
変に期待させないで欲しいよ。