察してください

「俺だって余裕なんてないですよ。

初めての彼女で、どうしたらいいのか分からなくて......。照れ隠しで、こんな態度になっちゃうんです。

それくらい、察してくださいよ」



そう、なの？
こんなせっぱ詰まった表情の水沢くん、初めて見た。

バスケの時に見せる真剣な表情とはまた少し違った顔。


だけど、私だって初めてで分からないんだから、察せないよと思いながらも、何も言うことができない。


水沢くんの腕の中に閉じ込められて、背の高い彼にあたしはすっぽり埋まっている。


水沢くんにこんなに近づいたのは初めてで、
心臓が壊れちゃうんじゃないかってぐらいにドキドキして、どうにかなりそうだよ......っ。