元カレ教師~君と出会った物語~
一緒だと言うと、緊張していた彼女の顔が、少し柔らかくなる。
「本当に?
良かった。
今日初めてなのあたしだけだと思った。」
「未来も教室入った時そう思ったよ。
あ、長谷川未来っていうの。
未来でいいよ。」
「あたしは滝沢妃奈。
えっと…未来ちゃんでいい?」
「“ちゃん”とかいらないいらない。
呼び捨てでお願い!」
「分かった。
あたしのことも妃奈って呼んで?」
「分かった!
ねえ、一緒に座って。」
「いいよ。」
これが、後の大親友である滝沢妃奈と交わした最初の会話だった。
未来は荷物を持って、妃奈の隣に座り、先生が来るまでお話してた。
少ししか喋ってないけど、その短い時間で2つ分かった事があった。
偶々入学テストの出来が良かった未来とは違い、妃奈はマジで勉強が出来る子だった。
あと1つは、妃奈は…少なくとも未来にとって良い意味で変わった子だった。
綺麗だとか可愛いとか美人とか…そういう風に未来を誉めない子は初めてだったの。
何て言うか…中身をちゃんと知ろうとしてもらえてるみたいで、嬉しかったんだ。
だからかな?
妃奈とは“親友”になれるかもって、未来は初めて思ったんだ。