元カレ教師~君と出会った物語~


「北条さん、俺、幸せになりますよ!
妃奈と北条さんに負けないくらい幸せになります!」


「おう!
幸せになれ!」


テンションが上がってきた俺たちは、店の人が出してくれたビール一杯で危険になってきた。


まあ、俺は二件目だし、北条さんも既に飲んでたみたいだが。


そんな状態だから、俺たちはもう帰る事になった。


婚約祝いにと、北条さんはビールを奢ってくれた。


「祥太郎!
俺らそろそろ帰るわ!」


北条さんが二階に向かって叫ぶと、階段から、先程の店主らしき人とは違う綺麗な女性が下りてきた。


「ごめん、昴。
祥太郎のやつ、今さっきお風呂入っちゃって。
…本当に、客が親友だからってふざけてるわよね。」


「本当だな。
はい、今日の飲み代。
悪いな、綾香に出てきてもらって。」


「それはいいのよ。
夫の尻拭いは妻がやるものだから。
でも昴、妃奈ちゃんに迷惑かけたら駄目よ?」


「分かってるよ。
じゃあ、祥太郎にも礼を言っといてくれ。
…戸田先生、もう帰りますよ。
戸田先生!」


さっきから俺らが喋ってるのに爆睡していたのは、戸田先生というらしい。


北条さんが頑張って起こしてるのに起きる気配はなく、北条さんは仕方なく彼をおぶって帰る事にした。


「今日は本当にありがとうございました。」


「こちらこそ。
楽しかったよ。
じゃあ、機会があればまた。
あと、この店は俺の高校からの親友がやってる店なんだ。
よかったらまた来てやってくれ。」


「そうなんですか!」


先程の店の人との会話から、仲がいいとは思っていたが、そういう事か。


「俺も気に入ったので、また来ます。
…北条さん、いつまでもお幸せに」


「村田君もな。」


俺らはそんな事をいいながら、別々の方向に歩いていった。


「そうだよな…俺ももっと良い男にならないとな…」


つい出てきた独り言を噛み締めながら、俺は帰るべき場所に進んでいく。


「妃奈じゃなくて、あの子の為に。」





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Fourth story end



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