元カレ教師~君と出会った物語~
*Fifth story* 妃奈と昴と…
「ただいま。」
「おかえり!」
今日も大好きな旦那様が帰ってきた。
その時、お腹に違和感を覚える。
「この子も昴が帰ってきたって分かるんだ。」
あたしは自身の大きなお腹を撫でて、微笑む。
もうすぐ、この子の顔も見られるんだと思うと、嬉しくて仕方ない。
「妃奈!
大人しくしてなきゃ駄目だろ!」
「え?
このくらい大丈夫だよ。
それより、昴だって疲れてるでしょ?」
「俺はいいの。
男だし。
あ、もうそれは俺がやるから!」
そう言って昴は、あたしからフライパンを取り上げる。
昴はこれでふざけているつもりはない。
寧ろ真剣そのもので、あたしをソファに座らせようとする。
それが嬉しくて、あたしはニコニコ笑ってしまうのだ。
滝沢妃奈、もうすぐお母さんになります!