元カレ教師~君と出会った物語~
だが、同時に思う。
玲奈がそこまで溺愛している妹というのは、どんな子なのだろうか?
一度会って話をしてみたい。
「はっくしゅん!!」
「綾香、絵に描いたようなくしゃみだな。
風邪?」
祥太郎が言うと、綾香は苦しそうに鼻をすすりながら答えた。
「そう。
この寒さは身に堪えるわ。」
確かに、今は2月だ。
1年の仲でも最も寒い季節だし、俺もこの前まで風邪気味だった。
「風邪で思い出した!
この前妃奈が風邪引いちゃってね…」
また玲奈の妃奈ちゃん話が始まった。
こうなったら終わるまで聞き続けないといけないと、俺は覚悟を決める。
案の定、玲奈の話は昼休みが終わるまで続いた。
聞いているうちの、さっき思っていた気持ちが大きくなっていった。
玲奈の妹に会ってみたい、と。
その俺の興味は、近いうちに満たされる事となった。