元カレ教師~君と出会った物語~
昴は何でもないように言った。
でも、不意打ちのキスはあたしにとっては大きな問題だ。
もうママなのに、夫の行動一つでこんなにもドキドキしちゃう。
「あたしも、そう言ってくれる昴が大好きだよ。」
巡も昴も大好き、愛してる。
こう思えるって、本当に喜ばしい事だよね。
「それにしても、綺麗な時期に生まれたな。」
窓から見える桜は見事だった。
まだ満開とまではいかないけど、堂々と咲き誇っている。
「巡の誕生日は、桜の下でお祝い出来るね。」
「いいな、それ。」
昴もあたしも笑った。
子育ては、今のあたしでは想像もつかないくらい大変な事だろう。
それでも、あたしには昴がいる。
昴は何があってもあたしを支えてくれる。
これからはきっとあたしだけでなく、同じくらいに巡のことも支えてくれる良い父になるだろう。
不安もあるけど、この3人なら大丈夫だ。
「巡、生まれてくれてありがとう。」
そう言うと、巡はあたしを真っ直ぐに見た。
「俺からも。
妃奈と俺の子に生まれてきてくれてありがとう。」
巡は今度は昴の方を見た。
「ちゃんとあたし達の事分かってるみたいだね。」
「ああ。」
美しく花咲く季節、昴とあたしは新たな命と出会いました。
そして、あたし達は幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
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Fifth story end
…and her story with her family starts