太陽にてらされて





「大翔と加西が校章交換してるの見てたらさ、丁度向こうに奈那が見えて。」






あぁ、あの時駿も見てたんだ。





「そしたら、急に山の奥に進んで行くからさ、大丈夫かなって思ったけど散歩くらい大丈夫って思って大翔と話してたんだ。でもさ、お前全然返ってこねぇし、誰に聞いても『知らない』って言うから探してたんだよ。」





そんなに心配かけてたんだ。







「で、今日のバスの中で奈那が湖見て『きれい』って言ってたの思い出して。まさかと思って来てみたら、そのまさかでさ。」





そして、ははっと笑い「ほんと、奈那って馬鹿だよ。」と付け足した駿になぜか腹が立たなかった。







「ごめんね、心配かけて。」






そう謝る私に駿は「別に」と返して頭をポンポンと軽く叩いた。



< 181 / 364 >

この作品をシェア

pagetop