まっすぐに……
「そっか……
ありがとな!」

胸の中にいるから分からないけど白鷹君は笑っているように聞こえた。


それから少しして白鷹君は抱きしめていた私を離した。

それとともに離れていく彼の温もり……。

何だか悲しかった。


そして公園のベンチに座り、白鷹君はミツを膝の上に乗せミツを撫でた。

ミツは心地よさそうにクゥンと言いながら眠たそうな顔をしている。


「んじゃもうそろそろ帰るか!」
白鷹君はミツを抱きしめ立ち上がった。


時間を見ると6時。
周りはもう日が暮れていた。


スタスタ自転車の元へ歩いく白鷹君。

私はまだベンチに座っていた。


「あれ?桐谷帰らないの?
送ってくから来て!」

突然の白鷹君の言葉――

私は嬉しい気持ちを胸に抱きながら白鷹君の元へと行った。


「ごめんけど、ミツ持っててくれない?
気持ちよさそうに寝てるから起こすの可哀想だし;」

私は白鷹君からミツを受け取った。
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