幼なじみは狼クン!?~ドタバタ☆学園地獄~
スーツを着たお兄さんが、『ん?』と振り返る。
少し遅れて、隣の高校生も私に気が付いた。
『俺たちに何か…?』
随分と端正な顔立ちをしたお兄さんが、営業スマイルを向けて私に言った。
「あの!突然すみません!成華第二高校に行くんですよね?」
『そうだけど…。それが何?』
「図々しいお願いで本当に申し訳ないんですが、よければ私もご一緒に乗せていただいてもよろしいですか!?」
『え…』
お兄さんは少しだけ口を開けて、軽く目を見開いてる。
流石に驚くよね…。こんな明らかに初対面の私なんかに私も連れてくよう頼まれたら…。
「私、その、成華第二に今日から編入してきたんですが、ちょっと寝坊しちゃって…。電車では間に合わないし、そもそも駅までのルートがまだちょっとわからなくて…。本当にごめんなさい…。ご迷惑ですよね…」
『あー…。そうなんだ…。うん。そういうことなら乗りなよ。俺の弟も成華第二の生徒だし』
「ほ、本当ですか!」
スーツのお兄さんは、本当だよ、と頷いてからウインクした。
よ、よかったぁ……!!