幼なじみは狼クン!?~ドタバタ☆学園地獄~
彼に会ったらまずなんて言えばいいんだろう。
どんな風に挨拶すればいいかな。
「久しぶり」って。普通に笑って手を振ればいい?
普通に笑うって、ぎこちなくなったりしたらどうしよう。
考えただけで、ドキドキする。
きっともうすぐ、もうすぐ。私はあの人に会えるんだ。
ガラララ…。
『お待たせ、藍田さん。木場先生にはあなたのこと伝えたわ。さあ、中へ入って』
「あ、はい…!」
香織先生に促されて、私はB組の教室へと一歩、踏み出した。
……。
クラス中の視線が私に注がれていて、何だか恥ずかしい。
転校とか編入とか、そういうの今まで一度も経験したことなかったし、どこ見てればいいのかよくわからない。
緊張する~…。
『編入生の藍田世玲菜さんだ。まだ色々とわからないことも多いだろうから、皆も優しく教えてやれよ~』
初対面の木場先生(と思われる人)から紹介を受けて、私は慣れない笑顔で軽く会釈した。