幼なじみは狼クン!?~ドタバタ☆学園地獄~
「こ、この人!」
『ああ、ならそこにいるよ。世玲奈ちゃんの隣の奴』
「……え?」
目を丸くした。
同時に言葉を失う。
あ、あたしの隣の席って…!
もしかして、この未だにずーっと、ずーーーっと爆睡中のこの人が……。
「……千春くん………!?」
私がほっそりとした声で名前を呼ぶと、『んん…』、呼吸に合わせて小さく揺れていた肩の動きが止まった。
『起きたみたいだね』
沙穂ちゃんは当たり前のような顔をして、またスマートホンに視線を戻す。
彼の片耳に輝く銀色のピアスが太陽を反射して少し眩しい。
会えた。やっと、やっと会えたんだ。