幼なじみは狼クン!?~ドタバタ☆学園地獄~
伏せていた頭がゆっくりと起き上がる。
千春くん…っ!!千春くんっ……!!
『……ねみぃ』
昔よりも随分と低まった一本の声が、胸にじんと響く。
体格も良くなって、背も高そうで、脚だってこんなに長い。
昔から綺麗な顔をしているとは思っていたけど、こんなにも立派な美男子(イケメン)に成長しているとは…。
『沙穂…?お前、俺のこと呼んだ?』
『おはよう。呼んだのは沙穂じゃない』
『……んー。あっそ』
沙穂ちゃんとはかなり打ち解けているのか、わりと自然な感じで話してる。
幼稚園は一緒なんだし、幼なじみみたいなものだろうから。
だったら、きっと私のことも……。
「あ、あの、千春くん…!!」
期待を込めて、その名前をもう一度呼んだ。
彼がそれに反応して、私を見る。