幼なじみは狼クン!?~ドタバタ☆学園地獄~
隣に人がいること自体、不自然だったのだろう。
一瞬、眉をひそめた千春くんは、何も言わずにあたしの顔を見やる。
「あ、あの…、私、今日ここに編入してきたんだけど…。えっと、覚えてるよね?3歳から6歳まで近所でずっと遊んでた、世玲奈、だけど…」
『………』
「千春、くん…?」
応答のない彼にもう一度声をかける。
確かに私を見ているのに、いまいち状況を理解していないようだ。
まだよくわからないかな?
私はあの頃を意識しながら、ぎこちなく微笑んでみせた。
……だが。
「あの、私だよ?藍田世玲奈。よくさくら公園で一緒に……」
『せれな?誰?』
………。
一瞬、時が止まった。
う、嘘、でしょ…?
あんなに仲良くしていたのに、もしかして、もしかして……。
「私のこと、忘れた…?」
『うん。知らない。誰あんた』