幼なじみは狼クン!?~ドタバタ☆学園地獄~
『サンキュ』
しばらくして、プリントをざっと眺めた千春くんは、沙穂ちゃんにそれを返して席を立つ。
そのまま教室を出て行ってしまった。
『せ、世玲奈ちゃん。その、気にしないほうがいいよ?多分あいつもそのうち思い出すって!ね?』
「うん…」
千春くんが去った後、落ち込む私をなだめる沙穂ちゃん。
そのうち思い出すって言われても…。一体いつ思い出してくれるんだろう…。
私、何のためにここまで来たんだかわからないよ…。
『……?圭じゃない。どうしたの』
すると、視線を下げていたあたしの前から、少しだけ沙穂ちゃんの声が遠のいた。
圭?圭って。
人の気配を感じて顔を上げる。
眠たそうな目で私を見やる圭くんが立っていた。